今まで Movable Type Open Source (以下 MTOS) で運用していた当サイトを、実は先日、未経験の Blog ツール WordPress でこっそりリニューアルした。MTOS 4 から 5 に移行しない理由として 「そんなにあれもこれも一度に覚えられるか!」 と少し前に言い放った手前、その舌の根も乾かないうちに 「初めて WordPress 使ってみました」 と公表するのは少々気が引けたが、以前からどこかのタイミングで試してみるつもりだったし、一部で問題になっている 「過去の発言との整合性」 云々は、この件に関してはあまり気にしないでいただきたい。

さて、個人的に注目している Drupalconcrete5 はさまざまなタイプのサイトを構築できる優れた汎用 CMS だが、時系列に沿ったコンテンツ管理等、最初から目的が 「Blog サイト」 と決まっているなら、Blog ツールの方が手っ取り早く管理も楽だと思う。また同じ Blog ツールであれば、僕としては Perl の MT/MTOS より PHP の WordPress の方が扱いやすい。

と適当な理由を挙げつつ、実際のところは、単にいつもの癖が今回も発現しただけだったりする可能性もある。仕事で行き詰まったりスケジュールが切迫してプレッシャーが高まって来ると、唐突に無関係なこと (別の作業 or 読書 or ゲーム etc...) を始め、ある程度現実から遊離した時点で 「ヤバい、こんなことしてる場合じゃない!」 と我に返ってスパートをかけると言う、あまりお薦めできない行動パターンだ。もちろんある程度真面目にサイトをリニューアルするとなれば、機械的に変換して一発完了と言うわけには行かないので、数日かけて少しずつ作業を進めた。

通常、Web サイトのリニューアル案件では、以前の URL を変えない (=Not found にしない) ことが望ましい。今回もこの原則に則って MTOS 時代の URL をそのまま再現することにしたが、素の WordPress では無理そうだったので、以下のプラグインを利用して URL 周りをカスタマイズしている。

  1. Custom Permalinks: ページごとに URL エイリアスを設定
  2. Nice Trailingslashit: 拡張子のない URL の末尾に "/" を付加
  3. Top Level Categories: カテゴリー・アーカイブの URL から "category" を除去

各エントリーの内容やコメント、カテゴリー等、MTOS からエクスポートしたテキスト・データをそのままインポートできたのはさすがだが完全ではなく、一部行の途中で改行が入ったり、div タグの構造がおかしくなっているのを修正する必要があった。カテゴリーの階層構造や、エクスポートしたデータに含まれていなかった MTOS の 「Web ページ」 も、手作業で再現した。

あとはプラグインをいくつか追加したり、余計な機能を無効にしたり、カテゴリー・アーカイブや検索結果等の表示形式等、細かいところをいじって終了。各エントリーの手動修正はなかなか忍耐力を要求される作業だったが、一発変換してくれる魔法のツールが恐らくない以上、致し方ない。概ね意図通りの移行ができたので、よしとしよう。

一通り作業を終えての印象は、それほど複雑でない構造の Web サイトであれば、MT/MTOS 同様に実用的な構築ツールとして使えると感じた。国内での普及度を考えると今後も MT/MTOS 関連情報の収集は必要だろうが、ツールの指定がなく要件面で問題がなければ、WordPress を CMS 的に採用するのも十分ありだ。

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