3週間ほど前に、WILLCOM の Advanced/W-ZERO3 [es] (以下 Ad[es]) から SoftBank の GALAPAGOS 005SH (以下 005SH) に乗り換えた。従来の携帯電話ではお馴染みの機能 「おサイフケータイ」 (←まだ使ったことがないし、多分使わない) やワンセグ (←ほとんど観ない)、裸眼 3D 表示 (←完全に不要) 等を盛り込んだ野心的な (?) 製品だが、それにしてもこの "GALAPAGOS" と言うネーミングはいただけない。JAXA の宇宙ヨット IKAROS にも通じる違和感を覚えるのは、僕だけだろうか。
まァ OS が Android で物理 QWERTY キーボード搭載に加え、キャリアが妻と同じ SoftBank で家族間無料通話 OK と来れば、製品名に多少思うところがあっても、選択肢は実際のところこれしかなかったわけだが、初の Android スマートフォンと言うこともあり、なかなか楽しめそうな気がする。IT 系の英語に馴染むため 「選べるなら英語インターフェイス」 を心がけている僕としては、言語設定を日英で切り替えられるのもありがたい (Ad[es] の Windows Mobile 6 は日本語のみ)。
さて、本機のいいところを紹介する記事はあちこちで目にできるので、敢えて 「個人的に残念な点」 に注目してみる。
キーボードなしの兄弟機 003SH からカメラが劣化していたり、バッテリー容量が少なくなっている等のマイナス点は、何とか運用でカバーできる範囲ではないかと思う。縦に持っているときに、本体を支持している手で左右側面中央付近にあるボタンを誤って押してしまう (電車内等、混雑した中で片手で操作しているような状況で多発) のはボタンの位置がもう少し上なら回避できたはずだが、意外にも最大の問題点は、最大の特徴と言えるキーボードにあった。
まず何より決定的なのが、[|] (パイプ) キーがないこと。「[|] は多用するでしょ、普通」 と言うのは UNIX 系サーバーに SSH で接続してコマンドを叩くときの話だが、一般的なユーザーがメールや mixi や Twitter でタイプする文章の中でも同様に [|] が頻出するかどうかは定かでないので、「不要」 とされてしまったのだろう。Linux マシンのくせに (※ 05/04 修正: [|] はタイプ可能。エントリー末尾で追記)。
さらに [Esc]、[Tab]、[^]、[\]、[']、["]、[`] もなく、結局ソフトウェア・キーボードを併用せざるを得ない。特に [Tab] キーの (入力欄等の) フォーカス移動と言う機能は、物理的にキーを押せなければほとんど無意味だ。同じ SHARP 製の Ad[es] は [Fn] キーとの組み合わせで主要な記号 ([`] 以外) は直接タイプできたので、使い勝手が大幅に後退してしまった (※ 05/04 修正: [Esc] [Tab] ['] 以外はタイプ可能。エントリー末尾で追記)。
[↑] [↓] [←] [→] の矢印キー的存在である十字カーソルがキーボードの左側に配置されている点も、僕にはキツい。ゲーム機の 「十字ボタン」 と考えれば、確かに左親指で操作しやすい位置に置きたくなるのも無理はないが、通常の矢印キーとしての操作、例えばテキスト編集中に [Shift] を押しながら範囲選択するような場面で、このトリッキーなキー配置が地味に効いて来る。良くも悪くも、キーボードの存在が目立つ印象だ。
ちなみにこの 005SH も最近のスマートフォンのご多分に洩れず、クレードルが付属しない、と言うより製品として存在しない (本記事公開現在)。付属の透明の簡易スタンドは高さがなく、本体底面に microUSB ケーブルを挿した状態で縦置きできないので、汎用的なスタンド等を別途購入すると具合がよくなる。その際は本体をスタンドに置いたままタッチ UI を操作することを考え、小さかったり細かったりする洒落た (&不安定そうな) 製品より、本体との接触面の大きさや、安定性を重視した方がいいと思う。
(2011/05/04 追記)
実は [Fn]+[Shift] と数字キーの組み合わせで、以下の記号を直接タイプできることが判明。キー表面に印字されていないので、全て記憶する必要がある。ただし SSH クライアント・ツールの PaderSyncSSH のように、[Fn] や [Shift] を併用したキー・アサインに厳密な同時押しが要求される一部アプリでは 3つのキーを同時に押さなければならず、少々難易度が高い・・・。
- [Fn]+[Shift]+[1] → ^
- [Fn]+[Shift]+[2] → "
- [Fn]+[Shift]+[3] → ` (バッククォート)
- [Fn]+[Shift]+[4] → $
- [Fn]+[Shift]+[5] → <
- [Fn]+[Shift]+[6] → >
- [Fn]+[Shift]+[7] → +
- [Fn]+[Shift]+[8] → =
- [Fn]+[Shift]+[9] → \
- [Fn]+[Shift]+[0] → |