我が家で音楽や動画等のデータを管理するメディア・ライブラリは、Samba と Samba と LinkStation (要するに全部 Samba) によるファイル・サーバー群の一角に構築されている。このメディア・ライブラリ用のフォルダーを Windows マシンでマウントしてデータに応じた各種プレイヤーで再生するのが基本的な利用スタイルだが、DLNA サーバーもライブラリのデータを LAN 内に公開しているため、マトモな DLNA クライアントさえあれば、悪くない使い勝手のシステムに仕上がっている。

DLNA クライアントと言えば、Advanced/W-ZERO3 [es] (以下 Ad[es]) での挫折体験を思い出す。当時 (今も?) ほぼ唯一の存在だった Nero Mobile Pro は ActiveSync 経由でインストールする商用製品で、体験版を試した限りでは、ソフトのせいなのか Ad[es] の処理能力の限界なのか、操作のレスポンスが極めて悪く再生もプツプツ途切れ (1曲の再生中に数回程度)、全く使い物にならなかった。

しかし 4月に Android スマートフォンの GALAPAGOS 005SH (以下 005SH) を導入したことで、かつて Ad[es] で断念した「DLNA で音楽再生」の野望が蘇って来た。バッテリー消費抑制の観点から、外出時に 005SH をオーディオ・プレイヤーとして使うつもりはなく、「電源が確保できる」「Wi-Fi が使える」「DLNA サーバーがある」の 3点を満足する場所、即ち基本的に自宅限定の使い方になるが、005SH に実用的な DLNA クライアントを導入し、音楽再生で DLNA 活用を推し進めようと言うのが今回の狙い。DLNA 経由の動画再生は PlayStation 3 の担当なので、005SH ではあまり重視しない。

と言うことで Android Market に登録されている無償の DLNA クライアント・ツール UPnPlay、Skifta、Twonky Mobile、Eyecon、2Player Network Music Player、Gizmo 辺りを試してみた結果、UPnPlay (0.0.30) を採用することにした。

UPnPlay は、癖の強い UI を含めてデザイン的にあまりカッコよくないのが玉に瑕だが、まずファイラー (曲を閲覧、選択する機能) が使いやすい。深い階層から一気に上位階層に戻って別のツリーをたどることができるので、我が家のように「データ種類 (音楽/動画)」→「ジャンル」→「アーティスト」→「アルバム」→「楽曲」と言う構造のディレクトリ・ツリーを基本としている場合、例えば任意のアルバムから別のジャンルに移動するのは比較的楽だ。DLNA サーバー (DLNA 用語で言う DMS) はこのツリーの最上位の概念として存在し、サーバーの切り替えも同じ操作の流れでできる。またデータを一覧表示する場面ではドラッグ可能なスクロール・バーが表示されるので、大量のデータをスクロールする際も、気が触れたように何度も画面を上下にスワイプする必要がない。他のアプリだと控えめに表示されていたトラック再生時のアルバム画像が、画面一杯 (005SH の場合は標準で 453x453px、拡大で 480x480px) に表示されるのも嬉しい (元画像が小さくても、問答無用で拡大されてしまう点は注意)。

一方、何か他に操作をしていると、再生が突然止まってしまうことがあるのが痛い。これが発生しやすいのは、僕の環境で観察した限り端末の CPU 負荷や I/O 負荷が急激に高くなったとき、例えば音楽を再生中に別のアプリを起動したり、何かアプリをインストールしたり、他のアプリがキャッシュを再構築したり、と言ったような場面だ。再生が止まると、前回 UPnPlay 終了時に選択されていた曲 (止まる直前に再生していた曲とは無関係) に戻ってしまい、その度に元の曲を選択し直すことになる。これはいくらファイラーの操作性がよくても、繰り返すとけっこうなストレスになるので、再生中の余計な操作はなるべく控えるようにしている。

以降は、惜しくも選外となったアプリを 2つ紹介。

1つ目は Skifta (0.69)。デザイン性に優れ、再生の安定度を含めて完成度が高いが、トラックの再生時間を正確に取得できないこと (2倍近く長く認識する)、トラックが切り替わる際にローディング中である旨のダイアログが一瞬表示されることが惜しかった。特に後者は、例えば 005SH を傍らに置いて PC の画面に向かって作業している際、視界の隅でダイアログが一瞬表示されたのが目に入ると、「?」と反射的に 005SH の画面に目を向けてしまう。これはわかっていても、作業に集中しているときほど頭より目が先に反応するので、大きなストレスになった。あとは起動時の強制更新チェック (たまにやたらと時間がかかる)、「サーバー」と「プレイヤー」を毎回指定させられるのが気になった。

2つ目は 2Player Network Music Player (1.1.06)。デザイン性は Skifta に劣らず高いものの、それ以上に CPU 負荷が高く (ほぼ常時フル稼動)、バッテリー消費が激しくなってしまう。また再生時にトラックとトラックの間で一瞬止まるので、本来はシームレスにつながって聴こえるべき複数のトラックにまたがる曲が途切れてしまうこと、なかなか終了させられない (強制終了させてもすぐに復活する) ことがネックになった。電話着信時に再生を一時停止する機能は、UPnPlay でもぜひ欲しい。

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