4月に WILLCOM から発表された新製品 WILLCOM NS。MID(Mobile Internet Device) と称するこの製品は、一体どの程度売れているんだろうか。今のところ、電車内や街中等で使っている人を見たことはない。まァ Advanced/W-ZERO3 [es] や WILLCOM 03 でも未だに目撃頻度は高いとは言えないし、WILLCOM D4 に至っては店頭展示以外で見たことがないので、発売間もない WILLCOM NS を全く目にしなくても不思議ではないが。

WILLCOM NS で気になるのは、そのコンセプト。OS に Windows Mobile ではなく Windows CE 5.0 を採用し、ユーザーによるアプリケーションのインストールは原則不可。キーボードなし。文字入力は全てタッチ操作。音声通話なし。(面積的に)デカい。PHS 回線なので通信速度が遅い。「次世代 PHS」を謳う WILLCOM CORE XGP には非対応、と言った具合だ。要は画像や PDF 等のデータを閲覧したり、インターネット上のサービス(主に HTTP, POP, SMTP プロトコルで提供されるもの?)利用に限定した専用機器と言うことだと思う。

となると、必然的に携帯電話等の音声端末とは別に持ち歩くことになるので、ターゲットはモバイル機器を複数所持することに抵抗を感じず(もしくは諦めがつき)、外回りが多いもののノート PC だと大げさで文字入力の頻度も少ないビジネスマンか、この手の機器が大好きなパワーユーザー辺りに限られるだろう。しかしターゲットとなり得る層は既にノート PC や何らかの PDA 的デバイスを持っていることが多いはずだし、ノート PC の代わりに WILLCOM NS を持ち歩いたところで、「あ~、やっぱりノート PC 持って来るんだった」と言う事態が懸念され、「コイツがあればとりあえず何とかなる」と言う安心感は与えてくれそうにない。僕自身で言えば、Ad[es] が音声通話と「軽くメールの読み書き&Web ブラウジング」を担当し、Ad[es] で力不足な場面はネットブック(Eee PC 900HA)と一応スムーズに役割分担ができているところへ、この WILLCOM NS が割り込んで来る余地は全くない。

利点を挙げるなら、「手軽さ」だろうか。僕が出先で 900HA を使ってネット接続しようとすると、まず Ad[es] で PHS の電波状態を確認し、大丈夫そうなら 900HA の電源を入れて Windows XP の起動を待つ間に Ad[es] から W-SIM を抜いて USB-WSIM に挿しておく。Windows XP にログオン後、スタートアップ処理が沈静化するのを待って USB-WSIM を 900HA に挿してようやくダイヤルアップ接続、と言った具合で、「コスト増を極力抑える」ことを重視した結果「サッと手軽に」とは程遠い。この状態と比較して、思い立ったときすぐにそこそこ大きい画面でネットが利用できるのは、確かに便利だろう。あとは「動作が軽快」と言うのもメリットと言えるだろうが、そのためだけに本体と通信費合計で ¥2,980/月(W-VALUE 割引の -¥2,900/月 適用後)を 24ヶ月間払う気にはなれないなぁ・・・。

One Response to this entry.

  • Natz:

    今は 「新つなぎ放題」 の ¥3,880 が W-VALUE 割引で相殺されて、実質 ¥980/月 で WILLCOM NS が使えるキャンペーンが展開されているらしい。「在庫限り」 「残りわずか」と言うことなので、興味がある方はお早めに。