VPN 接続に特化した軽量サーバー構築のため、遅ればせながら Debian GNU/Linux (以下 Debian) にデビューした。と言っても別に初めて Debian に触るわけではなく、我が家のサーバー環境で正式運用するのが初、と言うだけの話だが・・・。
我が家では実家との拠点間 VPN 接続に OpenVPN を利用していて、そのサーバーを兼ねる VMware Server ホストマシンは、近く VMware ESXi 化する予定。そこで VPN 通信をさばくだけの軽量な (仮想) マシンが必要になるわけだが、扱い慣れた CentOS は、単機能サーバーにするにはあまりにデカい。巨大なシステムを必要最小限のサイズにまで削るのは限界があるので、NAS 製品や各種派生ディストリビューションの原型によく利用される Debian を使うことにした。こう言う用途には、「無駄なものがほとんどない」状態を作りやすい Debian の方が適しているはずだ。
今回インストールした Debian のバージョンは、最新の 5.0。ちょうど月刊 Software Design の 2009年 7月号で Debian GNU/Linux 5.0 の特集記事が組まれていて、参考になった。
一通り予備知識を得て 5.0 のネットワーク・インストール用 ISO ファイルを起動してみると、確かにインストーラーが使いやすくなっている。最後に Debian をインストールした 3.x 当時のインストーラーは、同時期既にそこそこのレベルに達していた Red Hat 系と比べて、とにかくわかりにくかった。当時の記憶はインストール作業が最高に面倒だったことしかないので、ずいぶん進化したように見える。
ただ 「進化している」 と感じたのも、かつての惨状に比べればの話。HDD のパーティション操作等、依然として直観的でない操作が随所にあり、選択した言語によって選択可能なロケールが限定されてしまったり(言語で英語を指定すると、英語圏のロケールしか選択できない)、ストレスが溜まるのは相変わらずだ。UNIX 系 OS で構築するサーバーは「日本語を正しく扱える英語環境」がベストと考える僕にとって、この仕様は非常に鬱陶しい。非英語圏で英語環境のサーバーを構築できてマズいことでもあるのか?
気を取り直してインストールを完了させると、単機能サーバーの下地が完成。これから必要なもの *だけ* をインストールし、設定作業をすることになる。
Debian は Red Hat 系とは異なる部分が多く、言葉の違う地域に引っ越して来たかのような違和感を覚えるが、敢えて異なる OS を混在させて「ああでもない、こうでもない」とやれるのも自宅サーバーならでは。Debian 流の約束事を踏まえた上で、効率的なシステム管理方法を学習して行くとしよう。