VMware ESXi 4.0 を起動させて root のパスワードやネットワーク情報等の基本設定を終え (ついでに SSH 接続を許可しておくと便利)、https://<ESXi の IP アドレス> からダウンロードできる vSphere Client を管理用 Windows クライアントにインストールすると、ESXi を操作するための準備が整う。

vSphere Client 上でローカル HDD やファイルサーバーの NFS 領域を Datastore に追加すると仮想マシン (以下 VM) をインストールできるようになるが、今回はまずファイルサーバー上に退避させておいた VMware Server 1.0 の VM を ESXi のローカル HDD 上にコピーしたいので、VMware vCenter Converter Standalone (以下 vCenter Converter) を使ってみた。他にもシェル上や専用ツールで scp や、vSphere Client 上で Datastore に直接アップロード/ダウンロードを行う等の方法がある。

vCenter Converter はかつては VMware Converter と言う名前だった、「物理マシン → 仮想マシン」 の P2V 変換を行うための無償ツール。P2V だけではなく V2V (仮想マシン → 仮想マシン) 変換も可能で、変換先に ESX/ESXi の Datastore を指定することができる。

Windows 版 vCenter Converter をインストールすると、VMware vCenter Converter Agent と VMware vCenter Converter Server と言う 2つのサービスがインストールされ、自動起動に設定される。これらのサービスが必要なのは実際に VM 変換をする時だけなので、services.msc でプロパティを開き、「スタートアップの種類」 を 「手動」 にしておいた方がいい。サービスが停止した状態で vCenter Converter を起動すると、必要なサービスが動いていない旨のダイアログが表示されてサービスも同時に起動してくれるので、問題ない。

vCenter Converter の変換ウィザード中のコラムによると、対応する主な変換元 VM は次の通り。

  • VMware Workstation 4.0, 5.0, 6.0, 6.5
  • VMware Player 1.0, 2.0, 2.5
  • VMware Fusion 1.0, 2.0
  • VMware ACE 1.0, 2.0, 2.5
  • VMware Server 1.0, 2.0
  • ESX Server 2.5, 3.0, 3.5
  • ESXi 3.5 Embedded
  • VMware vCenter Server 2.0, 2.5

また同コラムに示される変換先として指定可能な主な VM は、次の通り。

  • VMware Workstation 5.0, 6.0, 6.5
  • VMware Player 1.0, 2.0, 2.5
  • VMware Fusion 1.0, 2.0
  • VMware ACE 2.0, 2.5
  • VMware Server 1.0, 2.0
  • ESX Server 3.0, 3.5
  • ESXi 3.5 Embedded
  • VMware vCenter Server 2.0, 2.5

vCenter Converter を使うのは今回が初めてだったが、ウィザードに従って、特に迷うこともなくスムーズに進められた。

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V2V 変換中

ただ、変換にはそれなりに時間がかかる。ネットワークの状態や作業用マシンの CPU パワーにもよると思うが、僕の Athlon 64 3200+ マシンでファイルサーバー上に置いた 15GB 程度の VM 1台を変換するのに、約 45分かかった。

尚、この vCenter Converter は、VM の仮想ディスクを 2GB で分割したり、逆に分割された仮想ディスクを 1ファイルに結合する等、V2V 変換の一環で仮想ディスクを操作するためにも使える。

One Response to this entry.

  • Natz:

    VMware vCenter Converter を Windows 7 にインストールして VMware Server 2.0.2 → VMware ESXi 4.0 の V2V 変換をしてみたところ、問題なく完了した。