昨日何となく思い立って、我が家の外部との通信の要衝である CENTURY SYSTEMS 社製ルーター FutureNet XR-510/C (以下 XR-510/C) の製品ページにアクセスすると、まさにその日付 (10/14) で最新ファームウェア Ver.3.7.0 がリリースされていた。
この XR-510/C は、家庭用として使うには少々高めでオーバースペックの感もある、Linux ベースの小型ルーター製品。SSH/Telnet こそできないが、豊富な各種機能 (製品ページ参照) に加え、所々に漂う Linux 臭が気に入っている。パケット・フィルタリング設定も 「iptables で設定している」 感覚がわかりやすいし、その 「家庭用っぽくない」 外観 (実際に家庭用製品ではない) も、他とは違うモノを求める向きには好都合だ。
これまで何度かアップデートを重ねて来たファームウェアが 3.5.x から 3.7.0
になったのは、これまでより規模の大きい更新や変更があると言うこと。「バージョン "x.0" (=初物)」 「機能追加」 「仕様変更」 「公開初日」。危険度の高いキーワードが並ぶ状況に躊躇したが、滅多にアクセスしないサイトへ約 7カ月ぶりにリリースされた最新ファームウェアのリリース当日にアクセスしてしまったのは、アップデートせよと言う神託に違いない。更新履歴ページで変更内容を注意深く確認した後、思い切ってアップデートを敢行した。
ダウンロードしたファームウェアを展開し (この手のデータが LZH で提供されるのは珍しいと思う)、管理画面からロード。「しばらく時間がかかるよ」 と言う趣旨のメッセージを残し、XR-510/C はファームウェア更新処理を開始した。
ファームウェア更新中を示す赤い Status 1 LED の点滅が 2~3分で終わり、点灯状態に変わる。これはサービス起動中を意味するので、ファームウェア更新は正常に終了したらしい。あとは起動完了を待つだけだ。
・・・と言う状態が、10分近く続く。当然管理画面にもアクセスできない。それまで使っていたファームウェアは 3.5.5 で、03/11 にリリースされている直前のバージョン 3.5.7 は、ダウンロードはしたもののインストールしていなかった。1つすっ飛ばしたのがマズかったのか、でもそんなことはダウンロードページに書いてなかったはずだ、それともバージョン "x.0" の初物地雷を踏んだか、やはり 1カ月くらい様子を見た方がよかったか等と不安に駆られていると、ようやく XR-510/C が起動した。妙に時間はかかったが、更新は正常に終了したようだ。今回に限らず、各種アプライアンス製品のファームウェア更新、Linux のカーネル更新、Windows Server のサービスパック等、システムの根幹に影響するアップデートには、毎回ヒヤヒヤさせられる。
XR-510/C 近影。警備要員と共に。
ちなみに我が家では、以前はこの XR-510/C が外界との境界で直接 PPPoE セッションを張っていたが、1年ほど前に行った ISP のプラン変更で 「ホームゲートウェイ」 と称する NEC Aterm BL170HV が送り込まれて来たのに伴い、配置転換した。この BL170HV で適切にセキュリティ設定がされていれば他にルーターは不要だが、せっかくの高機能ルーターを活用するために敢えて BL170HV の下に XR-510/C を置き、家庭内 LAN を 2セグメント構成としている。常時稼働させて既に約 3.5年になる XR-510/C 自体にトラブルは一度もなく、安定した動作を続けているし、現在もファームウェアが更新され続け、機能追加が行われていることからも、メーカーのサポート体制がしっかりしていると感じる。将来外界との実効速度が上がって理論値 100Mbps でカバーし切れなくなるまでは、このまま頑張ってもらうつもりだ。
一方仕事では、4つの LAN ポートを搭載するモデル
(リンク先は後継機種) を複数台使い、某社社内 LAN の構築に利用したことがある。使いどころは限られるが、要件にハマれば、かなり 「使える」 製品だと思う。
と言うような話を書いていたら、自宅のインターネット接続プラン変更当時、工事に来た作業員の方の親切な忠告を思い出した。曰く、「ルーターを 2つ使うと、互いに干渉してインターネットに接続できないことがあるので、お勧めしません」 とのこと。その場でルーティングやらパケット・フィルタリングやらについて熱く議論しても無益なので 「そうですか」 と流しておいたが、まァ 2台のルーターの WAN 側ポートと LAN 側ポートを相互につないで輪っかを作ったりすると、インターネットには接続できないかもしれない。