我が家では本番サーバー用仮想マシン (以下 VM) の他に、テスト用仮想化環境の構築で Windows 版 VMware Server 2.0 を利用している。しかし Windows 版 VMware Server 2.0 (特に VMware Infrastracture Web Access) は、我が家の非力な Athlon 3200+ マシンには苦しい。VM 不使用時は止めてある関連サービスも、VM が必要な時には起動させて重くなるし、コマンド 1発でサービスの起動/停止を操作できるものの、面倒であることに変わりはない。

と言っても、今更古き良き時代の VMware Server 1.0 に戻しても面白くない。そこで最近話題を耳にすることが多い、VirtualBox 3.0 への移行を検討してみた (月刊 Software Design の 2009年 8月号2009年 9月号でも、Ver.2.2 と 3.0 の特集記事が組まれている)。VirtualBox は恐らく VMware Workstation と競合する Sun Microsystems 社の仮想化製品で、評価目的や個人であれば無償で利用できる。

今回は Windows 版の検証なので、前述の VirtualBox サイトか Sun Microsystems 社の VirtualBox ページから VirtualBox-3.0.10-54097-Win.exe をダウンロードし、インストールする。インストール中はネットワークが一時的に無効になると警告が表示されるので、インストーラーをネットワーク・ドライブ上で実行すると具合が悪いかもしれない。

インストールは簡単なので省略。VMware シリーズの経験があれば、VM の新規作成も特に困る箇所はないと思う (仮想ディスクを集中管理する 「仮想メディアマネージャ」 は、少々戸惑うかもしれない)。

さて、個人的に最も重要なテーマは、VMware Server で作成した VM を VirtualBox に移行できるかどうか。VMware Server の vmdk ファイルを VirtualBox の vdi ファイルに変換するツールもあるが、VirtualBox 3.0 では、一応 vmdk ファイルをそのまま仮想ディスクに指定できるので、VMware Server 2.0 で作成した SCSI 仮想ディスクの CentOS 5 (virtualHW.version = "7", guestOS = "rhel5", scsi0.virtualDev = "lsilogic") で試してみると、あっさり起動してしまった。同じく SCSI 仮想ディスクにインストールした Windows 7 RC も同様の手順で OK だったが、GUI な CentOS は X が起動しなかった。

他の環境でも手近なところにあった vmdk を使ってテストしてみると、以下のような結果だった。

  • CentOS 5 (ver.7/SCSI/GUI なし): ○
  • CentOS 5 (ver.7/SCSI/GUI なし/Xen): ×
  • CentOS 5 (ver.4/IDE/GUI): × (テキストモードで起動)
  • Windows 7 RC (ver.7/SCSI): ○
  • Windows XP (ver.4/IDE): ×

IDE 仮想ディスクの Windows XP が起動しなかったが、ブートローダーはちゃんと動いていること、起動の途中で画面に何も表示されなくなること、CentOS で X に不具合があったこと等から、画面描画 (ディスプレイ・ドライバー?) に絡む問題かもしれない。

また Xen 対応カーネルの CentOS 5 が正常に起動しない現象は、VirtualBox で新規インストールした場合も同じだった。Xen は VirtualBox 上では動かせないないようだ。

とりあえず、SCSI 仮想ディスクにインストールした CentOS 5 (GUI なし) は、次の方法で普通に起動した。SCSI 仮想ディスクの Windows 7 RC でも同様。

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fig.1: VMware Server 2.0 の VM 設定

まず VMware Server 2.0 の VM 設定を確認する。CentOS 5.x をインストールするために OS に "Red Hat Enterprise Linux 5" を選択すると、デフォルトでは Hard Disk が "SCSI"、SCSI Controller が "LSI Logic" になる。この VM は Network Adapter が "Bridged" で、メモリは 1GB だ。

次に VirtualBox 3.0 で VM を作成する。僕は英語に馴染むために英語表示にしているが、VirtualBox は多言語に対応しているので、困ったらいつでも日本語に変更できる。

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fig.2: OS を設定

最も近い OS を選択。OS によって VM のアイコンが変わる。

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fig.3: メモリを設定

メモリは同サイズに設定。

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fig.4: とりあえず HDD なし

デフォルトの仮想ディスクは IDE で、既存の仮想ディスクを指定しても IDE として扱われる。VMware Server 2.0 から流用する仮想ディスク (vmdk ファイル) は SCSI なので、 ここでは HDD は設定しない。

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fig.5: いったん完了

いったん VM 作成を完了し、改めて該当 VM の 「設定」 を開く。

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fig.6: 仮想ディスクを設定

「ハードディスク」 で 「追加のコントローラを有効化」 し、VMware Server 2.0 の SCSI Controller と同じ "SCSI (Lsilogic)" を選択する。また 「割り当てを追加する」 ボタンで HDD を追加後、「ハードディスクを選択する」 ボタンで 「仮想メディアマネージャ」 を起動して VMware Server 2.0 の vmdk ファイルを登録し、「割り当て」 の 「スロット」 で任意の SCSI ポート (今回は "SCSI (ポート 0)")、「ハードディスク」 で目的の vmdk ファイルをそれぞれ選択する。

仮想メディアマネージャに HDD が 1つも登録されていない状態で 「割り当てを追加する」 ボタンをクリックすると、HDD が存在しない旨のダイアログが表示される。このダイアログを 「選択」 ボタンで抜けると仮想メディアマネージャが起動するので、vmdk ファイルを登録できる。

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fig.7: ネットワークを設定

「ネットワーク」 の 「割り当て」 はデフォルトでは "NAT" になっているので、"ブリッジ アダプタ" に変更し、他は必要に応じて適宜設定後、VM の電源を ON にする。

VirtualBox の完成度は高く、VM を新規作成する分には全く問題ない。VMware Server からの移行が完全でないところが惜しいが、やはり仮想化環境での画面描画は鬼門なのか。

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