僕はキーボードで文字入力をする際、「親指シフト」 を長年愛用している。と言っても本物の親指 Shift キーボードを使う本格派ではなく、OS レベルでキーマップを変更し、通常のキーボードで右手の親指で押しやすい位置にある [変換] キーを [Shift] キーにしているだけだが。

サーバー (特に Case sensitive な UNIX 系) をいじったり、(X)HTML や CSS を手でタイプしたりプログラミング等をしていると、大文字・小文字が混在したアルファベットや記号をタイプする機会が多くなり、必然的に [Shift] キーの使用頻度が高くなる。そこで個人的には漢字変換には [スペース] キーを使うため全く無用の [変換] キーを [Shift] キーに変更すると、通常のキーマップではほとんど使わない右手の親指で [Shift] キーを押し続けながら他の指をフル活用することができるようになって、タイピング効率が格段に上がる。

この効率的なタイピングに欠かせないキーマップ変更を Windows 上で実現する際に便利なのが、RemapKey。現在は Windows Server 2003 Resource Kit (無償) に含まれるツールで、Windows 7 でもしっかり機能する。

Resource Kit をインストール後も、Resource Kit に含まれる個々のツールはスタート・メニューには登録されないので、インストール・フォルダーにある remapkey.exe を直接実行するか、スタート・メニューの 「Windows Resource Kit Tools」→「Command Shell」 で remapkey [Enter] とタイプし、RemapKey を起動する。RemapKey はレジストリを編集するので、いずれの方法も管理者権限が必要になる点に注意。

RemapKey の使い方は簡単で、「ベース キーボード」 欄のキーを、「リマップ キーボード」 欄の置換したいキー上にドラッグ&ドロップするだけ。左端の 「保存・終了」 ボタンで保存して Windows を再起動すれば、余計なサービスやツールが常駐することもなく、ログオン前の状態からこのキーマップが有効になる。

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[変換] キーを [Shift] キーに変更

マニュアルによると、RemapKey によるレジストリの変更箇所は "HKEY_LOCAL_MACHINE\SYSTEM\CurrentControlSet\Control\Keyboard Layout" 以下に作成される Binary 値 "Scancode Map"。このエントリーを書き出しておけば、他の Windows クライアントに展開する際にも使える。

僕は上記に加え、[半角/全角] キーが持つ IME の ON/OFF 機能を、MS-IME の設定で [ひらがな] キーにも割り当てている。これにより右手の親指には、[Shift] キーの他に IME の切り替えと言う役目が与えられる ([半角/全角] キーの機能はそのまま)。

RemapKey ではなく MS-IME の設定で実現する理由は、他のユーザーの混乱を最小限にするためだ。キーマップを問答無用に変更してしまうようなカスタマイズは、ログオン前から有効になることからわかるように、他のユーザーにも及ぶ。主に自身で利用する PC であっても、他のユーザーがログオンする可能性がある場合は少々乱暴とも言えるので、常駐型のキーマップ変更ツール以外でユーザーごとに代替手段がある場合は、そちらで行った方がいいと思う。

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